大判例

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東京高等裁判所 昭和51年(秩ほ)4号 決定

被告人 黒川芳正

〔抄 録〕

(二) 抗告の理由(二)は、本人が在席しないでなされた本件制裁は、法廷等の秩序維持に関する規則七条に違反するという。しかし、記録によれば、本件審判期日に本人を出席させるため、東京拘置所看守が本人を連行しようとしたところ、本人が出席を拒否したものであって、本人自ら在席の権利を放棄したものである。所論は、本人が公判準備のため正当な理由により出席しなかったというが、本件審判期日に出席するため僅々数時間を割いたとしても、公判の準備ができないものではないから、所論は採用できない。

(三) 抗告の理由(三)は、本件制裁手続は、その日のうちになされず、五日後になされたものであるから、法廷等の秩序維持に関する規則三条に違反するという。しかし、関係記録によれば、本人が本件制裁の対象となる行為をした、被告人浴田由紀子外五名に対する爆発物取締罰則違反等被告事件の昭和五一年一〇月二一日の公判期日には、本人のほか、弁護士内田雅敏ら数名にかかる法廷等の秩序維持に関する法律による制裁の対象となる行為をしたものがあり、当日は右弁護士らに対する制裁手続を行なわなければならなかった関係もあって、当日中に本人に対する制裁手続を行うことができなかったこと、その後においても、原裁判所が他事件の審判をする必要があったこと、本人らの押送に関する東京拘置所看守の時間的都合等により、原裁判所が同月二六日より前には本人に対する審判期日を開くことができなかったことが認められるから、原裁判所の手続が法廷等の秩序維持に関する規則三条に違反するものではない。また、刑事被告人である本人の防禦権を侵害するものとは考えられないから、日本国憲法のいかなる条項にも違反するものではない。

(綿引 石橋 藤野)

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